生前対策・遺言書作成をお考えの方へ

生前対策の必要性

遺産・相続問題は事前の対策が重要です。

最近よく「終活」「エンディング」などというキーワードをきく機会が増えたのではないでしょうか。

とはいっても、具体的に、何故生前の対策が必要かということを具体的に把握している方はそんなに多くないかも知れません。

例えば、ご自分や親御さんが一切遺言などの事前対策をしていないまま亡くなってしまったことを想像してみていただければ、わかりやすいかも知れません。

そして、この対策をしないまま亡くなったということには遺言を残す前にご本人が認知症や突然の事故やご病気で、遺言を残せないまま相続が開始した場合も含まれます。

生前に遺言書等を何も残されない場合には、民法の規定にある法定相続分にしたがって配偶者やお子様など親族が相続することになります。

そして、そのままの法律上の分け方で何も心配事はないという方は、生前対策の重要性は低いと思います。

しかし、実際には、法律上の分け方が決まっていても、不動産の問題や、経営している事業の問題、同じ親族でもご本人との同居の有無などで、それぞれ関わりに違いがあったりして、簡単に割り切れないケースも多いかと思います。

以前は家族の仲が良かったご親族の場合も相続をきっかけにトラブルが発生することは珍しくありません。

また、そもそも法律上の相続のしくみ自体どのようになるのか分からないという方も、まずは、一度ご相談だけでもされることを是非お勧めします。

遺言書作成

生前対策の基本となるのが、遺言書の作成です。遺言書の作成には大きく分けて、自筆証書遺言公正証書遺言に分かれます。

自筆証書遺言には、作成が自分でできるので、手軽に作成でき、費用もかからないというメリットがあります。

とはいえ、私たちは、以下の観点から、できれば公正証書遺言を作成することをお勧めしています。

遺言公正証書のメリット

  • 遺言書原本の紛失の危険が無い
  • 家庭裁判所での検認が不要
  • ご本人意思能力の有無などでトラブルになった場合、遺言書の無効を主張されることが少ない

確かに、少なくとも公正証書遺言作成のためには、費用・実費がかかります。
どのくらいの費用がかかるかは財産や難易度の有無をふまえご相談でお知らせします。

ご相談だけで終了するだけでも構いませんので、十分にご検討の上ご依頼されるかを決められることをお勧めします。

遺言執行者について

遺言書において、遺言執行者を指定しておくと、遺言の執行をスムーズに行うことが可能です。弁護士など利害関係がない専門家を遺言執行者に指定しておくと無用なトラブルは回避できます。

通常、遺言執行者の報酬は予め遺言書に記載することになります。報酬等具体的な金額についても詳細はお問い合わせください。

対策が特に必要な方

それでは、どんな方が必要でしょうか。

例えば「おひとりさま」で親族や身寄りがない方は事前の対策をお進めします。また、お世話になった知人に遺産を残したいという方にも、お勧めしています。

その他、ご夫婦だけで子どもがいないので元気なうちに終活をしておきたいという方、残された家族でもめてもらいたくない方、一度自分の親の相続でもめているので自分の相続ではもう紛争を繰り返したくないという方も対策をお勧めしています。

人生の大きな問題だけに後回しにしなりがちな問題ですが、一度ご相談頂ければ大きな安心につながります。お気軽にご相談下さい。

注意点

遺言はご本人に意思能力がある場合に作成が可能です。いったん、認知症などで意思能力が低下してしまったら、もう手遅れになってしまうというケースも散見されます。

人生の重要なテーマであるため慎重になりすぎで、結局遺言書を作成しなかったかたも多くいらっしゃいます。

亡くなった親御さんの手書きのメモを持参される方も少なくない割合でいらっしゃいますが、残念ながら多くは正式な遺言として有効となるものでは無いため、結局相続人同士で争うことになった件もよくある話です。

遺言書は最後に作成したものが有効なりますので、一度作成しても、そのあとで撤回が可能です。

細かなことを決める前に、最低限の内容だけでもまずは遺言書として作成しておくことをお勧めしています。

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